こんにちは!
本日は、私はるメロンが住むアメリカのお隣の国、カナダの独立記念日である
\ カナダデー /
国民全体で、カナダの独立を祝う日です。
この日には、毎年花火が上がったり、イベントが開かれたりと盛大に祝われます。
しかし、今年(2021年)のカナダデーは例年と様子が違うようです。
一体どういうことなのか?
ネットや英語教材を使って学んだ情報をもとに、詳しく解説していきます。
カナダデーとは?
カナダデーとは、イギリスの植民地だったカナダが、自治領に昇格したことを祝う日です。
日本では、2月11日の建国記念日がこの日に当たります。
1867年7月1日、現在あるカナダの10州の内、4州が自治領になりました。
カナダは、イギリスが1982年まで元首としてカナダの支配を続けたものの、今は完全な独立国です。
植民地(Colony) | 土地の所有権や、政治を行ったり法律を作る権利をすべて他国に握られている土地 |
自治領(Dominion) | 元首は他国であるもの、高度な自治を行うことを認められた国 |
アメリカの場合、完全に独立した記念日なので、”Independent Day”ですが、カナダの場合”Dominion Day”と呼ぶのが正しいです。
当時のイギリスの本音

本当はまだカナダを支配したい!もし自治権は手放すとしても、カナダを”Kingdom”と名付けよう。だってその方が、「イギリスのもの」って感じがするもん!

(しかし、そこには当時から絶大な力を持っていたアメリカの存在が。アメリカは当時もキリスト教を主とする国であった。)

でもアメリカに敵対視されたらたまったもんじゃない。仕方ない…旧約聖書から引用して”Dominion”にでもするか…。
当時のイギリスの心境はこんな感じだったのではないかと思います。
“Dominion”は穏やかで平和な世界というニュアンスの意味で、旧約聖書からの言葉というのもあり、欧米では好印象です。
なので、これを引用したのは、アメリカに対して胡麻をするのにいい考えですね(笑)
May he have dominion from sea to sea, and River to the ends of the earth!
詩編72章第8節(ESV)
例年のカナダデーの過ごし方

カナダデーは国民の祝日なので、学校も会社もお休みです。
またカナダは、日本に比べるとかなり愛国心が強い国です。
なので、カナダの独立を祝うために、多くの人が恥ずかしげもなく、むしろ誇りをもって国旗柄のTシャツを着てイベントに参加します。
また、友達や親せき同士で集まってBBQをすることも多いです。
2021年のカナダデー
今年のカナダデーは、例年と何が違ったかというと、まずコロナの影響でイベントがほぼすべてオンラインになりました。
そして、今年のカナダデーに大きな影響を与えたのが、このニュースです。

5月にブリティッシュコロンビア州で200人以上の子どもの遺体が、6月にはサスカチュワン州で700基以上の無印の墓が発見されたのです。
これらは、カナダで行われていた「先住民族同化政策」のためにつくられた学校の跡地で見つかりました。
このスクールでは、政策のために子どもたちに対する外的・精神的・性的暴力などが頻繁に行われ、多くの生徒が死に至り、行方不明になりました。
この政策は、キリスト教主体で行われていた上、今回見つかった墓の墓石を撤去したのもカトリック教会の仕業だとみられています。
今中国がウイグル人に対して行っているような無慈悲な政策を、カナダも行っていたんですね。
このうち最後のスクールが閉鎖されたのが、なんと1997年というとても最近の出来事なのです。
他人事としてみることはできません…。
多くのイベントが中止に
この報道を受け、カナダは今年のカナダデーには、亡くなった子どもたちへの追悼をささげるため、多くのイベントを中止にしました。
また、カナダ人の多くは、この事実を重く受け止め、今後のカナダデーを「ただの独立祝い」で終わらせるのではなく、
何らかの形に変わろうという考えを表明しています。
中には「カナダデーを廃止にするべき」という人も。それも少なくないんです。
詳しく知りたい方は、上のinstagramの投稿をご覧ください。
今年のカナダデーカラーは「オレンジ」

皆さんご存じの通り、カナダの国旗は赤と白です。
なので通年はその国旗を家に飾り、身にまとってカナダデーを祝うのですが、今年はその色がオレンジでした。
なぜなら、オレンジはカナダでの先住民族迫害を象徴する色だからです。
これは、先述したスクールから生きて帰ったフィリス・ジャック・ウェブスタッド(Phyllis Jack Webstad)さんの実話に由来します。
彼女がスクールに行った日、お気に入りのオレンジ色のシャツを取り上げられてしまったのです。
フィリスさんについてのストーリーや、彼女の現在についてもっと知りたい方は、 the Orange Shirt Societyのページをご覧ください。
カナダデーとは別に、オレンジシャツ・デーが9月30日に制定されていますが、今年は形式上オレンジ~が一年に2日間になりましたね。
おすすめの絵本
このストーリーについてお子さんにわかりやすく説明したい場合におすすめの本は、The Orange Shirt Storyです。
フィリスさんの身に起きた事を元に、それに限りなく近い形で描かれたこちらの絵本。
今でこそ大国となったカナダの裏の顔を、優しく伝えるのにぴったりの作品です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、カナダデーとは何か。植民地と自治区の違いから、2021年のカナダデー事情までご紹介しました。
- どんな日?→カナダの一部がイギリスの植民地から自治領になった日
- いつ?→7月1日(1867~)
- イギリスの本音→本当は”Kingdom”と名付けたかったが、アメリカを恐れて旧約聖書から”Dominion”を引用した。
- 例年のカナダデー→友達や親せき同士で集まり、赤と白の服を着て、カナダの独立を祝う。
- 2021年のカナダデー→多くの先住民の遺体や墓が見つかったことを受け、イベントは中止。国民はオレンジを身にまとい、追悼した。
- 「カナダ」と「オレンジ」の関係がわかる絵本→The Orange Shirt Story
わたしは今回、カナダデーや迫害の話について初めて知ったのですが、調べてみると思った以上に興味深かったです。
色んなサイトを見て回るとそれぞれにとてもおもしろいことが書いてあり、思わずまとめてくなったのでこの記事を書きました。
カナダデー、そしてカナダが来年にかけてどう変わっていくのか、注目したいところです。
この記事が、皆さんがカナダの歴史について知るきっかけになったら嬉しいです。
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